なぜ彼らはダウンジャケットで眠るのか
- Amelio Works
- 4 分前
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外国人材の活用を通して地域経済の発展をお手伝いします、
登録支援機関 株式会社SHEEPS
外国人材紹介 アメリオワークス
代表の亀井芽里です。

冷え込む日が続きますね。
暖かい国から来た人達にとっての、日本の初めての冬を心配して声がけをしていると
「ダウンジャケットを着て寝ているので大丈夫です!」 と言われることが度々あります。
私たちも最初は驚きました。
でもそれは、マナーがないとか、常識がないとか、 そういう話ではないのです。
実はその行動の奥には、文化と生活史の違いがありそうです。
日本では当たり前の「内と外」
日本では
・家に入ったら靴を脱ぐ 上着を脱いでくつろぐ(屋内用の羽織りに着替えたりする)
・家の中は暖かく、清潔で、安心できる場所
という感覚がごく自然に身についています。
「部屋に入ったら上着を脱ぐ」という行動は、 誰かに強く教えられたマナーというより、 日本の住環境と暮らしの中で当たり前になった習慣です。
家の中が寒い国は珍しくない 一方で、世界に目を向けると状況はまったく違います。
・家と外の環境差が少ない
・気候的に、または電気やガスの供給が不安定で暖房がない、または最低限
・寝るときは布団ではなく着るもので温度を調節する
こうした国や地域では、 「寒かったら服を着る」という行動がとても合理的です。
ダウンジャケットは 「外の服」ではなく、 体を守るための一番効率のいい防寒具なのです。
日本ほど「外」と「内」を厳密に分ける文化は、 実は世界的には少数派だそうです。
・同じ服で外にも家にも行く
・家は雨風をしのぐ場所
・服は場面ではなく環境に合わせるもの
こうした生活史の中では、 上着を脱ぐ・脱がないに 特別な意味はありません。
違いはマナーではなく、前提
日本人が違和感を覚えるのは、 「部屋では上着を脱ぐ」という前提を
無意識に共有しているからです。
でもその前提が、 すべての人に共通なわけではありません。
だからこれは、 守れていないマナーの話ではなく、 共有されていない前提の話です。
大切なのは、 新しい行動に遭遇したときに「非常識」と決めつけないこと 。
外国人側も「日本ではこう感じられることがある」と知ること。
正しさを押しつけ合うのではなく、 背景を知ること。
その積み重ねが、 安心して一緒に暮らせる関係をつくっていくのだと思います。
違和感の向こう側
「なぜ屋外用の上着で寝るんだろう?」
そんな驚きに出会ったら、その人が生きてきた環境に 少しだけ思いを馳せてみる、想像力を働かせてみる。
そうすると、 違和感は新たな理解に変わっていきます。
文化の違いは、 分断の理由ではなく、 知るきっかけになる。
そんなふうに捉えていきたいですね。





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